日本の大衆食や国民食の代表ともいえる「うどん」。
讃岐うどんは誰もが知る有名どころですが、今年初夏に都内へ自動販売機が設置された「福岡うどん」についてはご存じでしょうか。
六本木に自動販売機まで登場も「福岡のうどん」が東京で大ブームにならないワケ https://t.co/y8bdHoOWuq#デイリー新潮 @dailyshincho
— デイリー新潮 (@dailyshincho) July 23, 2022
他地域とは違う独特の食感をもつ福岡うどんは、九州の地元に深く愛される1品です。最近は東京にもじわじわと店舗が増え、一大ブームくるか!?と思いきや…。
なかなか、そうはいかない事情があるようです。
福岡うどん自動販売機が東京でブームになりにくいのにはワケがあった
福岡県の美味しいグルメといえば、豚骨ラーメンを想像する人は多いですよね。実は、それともう一つ、福岡はうどんも有名なことはご存じでしょうか。
今年6月、とある福岡うどん店の自動販売機が東京都内に設置されました。独特の特徴をもつ福岡うどんに反応も好調、一躍ブームにもっていけそうですが…?
福岡うどんの自動販売機が東京にやってきた
2022年6月24日、福岡県久留米市にある「立花うどん」は24時間購入できる冷凍うどん自動販売機の関東設置を発表しました。
設置場所は、東京六本木にある駐車場の一角。トラストパーク六本木7丁目は六本木駅や六本木ヒルズ、東京ミッドタウンに近く、人の流れも交通量も非常に多い地域です。
人流は問題なく期待できそう…とはいえ、六本木にうどん屋さんというのも少々イメージがわきにくいですよね。
大都会の真っ只中にあえて福岡うどんの自動販売機を設置した理由について、立花うどんさんはこう話しています。
福岡うどんの自動販売機に対する反応は?
福岡うどんが手軽に食べられる自動販売機が東京にできたことに対して、お店には
の声が多く届いているそうです。
その理由は、福岡のうどんが「他地域とは違う特色をもつうどん」であることが大きいでしょう。
福岡うどんの特徴
- 麺がやわらかく、コシがない
- 麺の表面がふわふわしている
- モチモチ感が強い
- スープをすごく吸う麺
- 安くて美味しい
調理時にゆでた麺をシメないことで麵がスープを存分に吸い、独特の食感を生み出しているんだそう。最初から継ぎ足し用のスープをヤカンで用意しているお店もあるようです。
うどんは全国各地で特徴が違うものですが、最もメジャーなのはコシのあるしっかりした麺の讃岐うどん。東京にあるうどん屋も、讃岐うどんメインの店が大きな割合を占めます。
そのため、東京で福岡うどんを気軽に食べようと思っても、なかなか見つけられないのが実情でしょう。
そんな故郷の味を遠く離れた東京で食べられるとあって、自動販売機への反応は予想以上に好調だそうです。SNS上にも、歓迎や喜びの声があがっています。
1番好きな立花うどんに東京で会えるなんて😭✨✨ただエコバック持ってきてなくて箱抱えて家帰る📦笑
今日と明日はうどん食べて幸せに過ごせる🥺🫶🏻🫶🏻🫶🏻🫶🏻 pic.twitter.com/Z23D2vIasV— ぬーちゃん (@Hawks36208) July 23, 2022
六本木に立花うどんが買える自販機があるってま?????
うわーー!!どちゃくそ食いたい!!行きたい!!なつかしぃいいい!😆
家族でうどん食べに行くよ!って言ったらここ一択だった!うどんも美味しいけど混ぜご飯が最強すぎてだな…❤後いつも元気に声出ししてる某有名人のお母さんが有名よ😊✌️ pic.twitter.com/AlDJL1THtW— やひー (@snowbear0613) July 24, 2022
立花うどん。
久留米のインター近く。時代とはいえ、東京六本木で冷凍自販機出してるとは、びっくり。
福岡、久留米は、うどんの名店多い。
ダシが美味しく、ごぼう天が入ると
更にダシが美味くなる相乗効果。 https://t.co/xPxmqcZrKd— サスライのカズ (@KFD3Fz4oFS2EuPE) July 23, 2022
この反応にはお店もとても嬉しかったようで「これを機に、立花うどんをもっと多くの人に知ってもらえたら」とのこと。
ところで、うどんといえば大手チェーンにしても駅の立ち食い店にしても、まずお店ありきな印象ですよね。
お客さんの印象にも残りやすいですし、利便性や流行の面でも実店舗を増やしていこうとする飲食店は多いもの。
しかし、立花うどんでは「現時点で東京への出店は考えていない」そうです。一体なぜなのでしょうか。
福岡のうどんの「店」は東京に出ない理由
こう語る立花うどんは、福岡県内にすでに3つの店舗をもっています。確かに九州と東京を行ったり来たりで管理するのは大変そうですよね。
また、同じく福岡で人気を誇る福岡うどん屋「ウエスト」はこう語ります。
東京都中心部の家賃相場は、福岡県中心部のおよそ2~3倍。確かにこれだけでも、東京と九州で同じ内容のサービスを提供することは難しいことがわかります。
さらに、「そばとうどん、すきなのはどっち?(2016年 Jタウン研究所調べ)」のアンケートによると、東京都含む東日本では圧倒的に「そば派」が多かったようです。
うどん派が大多数を占めた西日本よりブームに火がつきにくく、実店舗展開をすすめにくいのが現状としてあるんですね。
なお、ウエストが行ううどんの通信販売も大半が東京からの注文とのこと。流行りそうでなかなか流行らないのには、一筋縄ではいかない事情があったようです。
うどんだけじゃない!街中で出会える自動販売機
自動販売機のメリットといえば、
- 24時間365日購入可能
- 無人販売が可能
- 店舗不要で色んな場所に設置可能
この3つですよね。
テイクアウト需要の高まりやコスト削減の徹底を求める昨今の流れから、自動販売機は高い注目を浴び、採用されています。そのジャンルは、うどん屋さんに限りません。
せっかくなので、全国にあるさまざまな自動販売機を集めてみました。
中華料理店の自動販売機
餃子、小籠包、肉まん、ラーメン…年齢問わず人気の中華料理の自動販売機は、いまやどの街でも1つは見かけるほど増えています。
中華料理店の自動販売機
- 中華そば富いち(北海道旭川市)
- 藤翔製麺(青森県南津軽郡藤崎町)
- 青森大勝軒(青森県青森市)
- もっけだの(山形県鶴岡市)
- 餃子王(東京都調布市)
- 大島ラーメン護国寺店(東京都文京区)
- みんみん餃子(東京都武蔵野市)
- 福しん(東京都中央区)
- はまっ子ぎょうざの楽山(神奈川県横浜市)
- みまつ食品(群馬県前橋市)
- 麺匠(長野県佐久市)
- 浪曼路(大阪府豊中市)
- 小龍 ぶたまん屋(大阪府吹田市)
- 温故知新(大阪府吹田市)
- さいか亭(京都府京都市)
- マルシン飯店(京都府京都市)
- 街角中華 老上海3番地(兵庫県西宮市)
- 神戸餃子オレギョ(兵庫県神戸市)
- 丸田屋の中華そば(和歌山県和歌山市)
- ゼンオキ食品(沖縄県那覇市)etc
料理系自動販売機の中でも、中華料理が購入できるものが圧倒的多数を占めました。
中華料理は冷凍時点でほぼ完成しており、あとは「焼くだけ」「煮るだけ」と調理も簡単なところが魅力的ですね。
和・洋食の自動販売機
中華料理ほどではありませんが、食卓で人気な和・洋食の自動販売機もどんどん設置されています。
和・洋食料理店の自動販売機
- 焼鳥専門ぎんねこ(北海道旭川市)
- 若鶏時代なると本店(北海道小樽市)
- Ex-Factory(北海道虻田郡ニセコ町)
- 道の駅 石狩 あいろ~ど厚田(北海道石狩市)
- ZEN LABO ひっせい(東京都府中市)
- Jazz BAR&CAFE ROMAN(東京都八王子市)
- 乃が美 はなれ (東京都八王子市)
- ダイニング ホマレ(神奈川県相模原市)
- なかやパン(千葉県千葉市)
- シェフズテーブル(京都府京都市)
- TABE KOBE(兵庫県神戸市) etc
温めればそのまま食べられる焼肉丼から、パスタソースを個別に売るものや本格フレンチ一式まで!
自分で調理する楽しみは少ないですが、24時間いつでもプロのつくった味そのままを購入できるのは非常にありがたいです。
スイーツの自動販売機
スイーツの自動販売機といえば、真っ先に浮かぶのは大手メーカーのアイスクリーム自動販売機な人が多いかと思います。
実は、現代のスイーツ自動販売機はアイスクリーム以外にも幅広く展開されていることはご存じでしょうか。
スイーツ店の自動販売機
- 【クレープ】ここから食堂(青森県十和田市)
- 【シフォンケーキ】Bon・mu(東京都八王子市)
- 【クッキー】湘南クッキー(神奈川県藤沢市)
- 【マカロン】ノコボンボン(千葉県千葉市)
- 【チョコレート】QUEEN’S JET(兵庫県神戸市)
- 【プリン】YS菓子香房(兵庫県美方郡香美町)
- 【きんつば】谷矢製餡(兵庫県西宮市)
- 【ショートケーキ】紬生(和歌山県和歌山市)
- 【米粉スイーツ】米粉Sweetsくぉ~れ(岡山県岡山市)
- 【パフェ】CREPE BOM(岡山県岡山市)
- 【フルーツサンド】フルトリエ 中村果樹園(福岡県久留米市)
- 【プリン】おやつやみみ(佐賀県佐賀市)
- 【米粉シフォンケーキ】Deco sweets(沖縄県糸満市) etc
状態の変わりにくい焼き菓子以外にも、プリンやパフェがあるのは驚きました。
買ったらすぐ食べられる手軽さや冷やして食べることの多いスイーツは、どこでも置ける冷凍自動販売機と相性が良いんですね。
こんなものまで!?「変わり種」自動販売機
料理系自動販売機で売られているものは、すでに完成している料理or多少の調理ですぐ食べられる料理がほとんどです。
しかし、世の中にはわれわれの想像の遙か上をいく自動販売機が存在しました。
変わり種の自動販売機
- 【鶏刺し】真栄ファーム(鹿児島県南九州市)
- 【ヤギ刺し】フレッシュミートオオシロ(沖縄県那覇市)
- 【冷凍魚卵】ヤマモト食品(青森県青森市)
- 【寿司】テイクアウト&デリバリー専門店テイク(沖縄県那覇市)
- 【刺身】さしみゃー(沖縄県豊美城市)
- 【エビフライ】EBI研究所(佐賀県三養基群上峰町)
- 【出汁】だし道楽(全国)
- 【出汁】二反田醤油(和歌山県和歌山市)
- 【中華ドリンク】新和商事(千葉県松戸市)
- 【韓国料理】Dプラン(東京都品川区)
- 【コーヒー豆】Mustache coffee(千葉県千葉市)
- 【黒ニンニク】国道126号線の黒にんにく屋さん(千葉県千葉市)
- 【スパイス】Orange(和歌山県和歌山市)
- 【オリーブオイル】オリーブプラス(沖縄県豊見城市)
- 【カバン】カバンストリート(兵庫県豊岡市)
- 【お守りなど開運グッズ】紀州宝来宝来神社(和歌山県有田郡有田川町)etc
魚卵や出汁、エビフライに調味スパイスに…果てはカバンまで!タバコや乾電池など、従来のジャンル外でも自動販売機を採用する業界が増えてきたんだなと強く感じました。
意外と自動販売機にマッチしないアイテムの方が少ないのかもしれませんね。これからもどんな自動販売機が出てくるのか、期待です。
まとめ
福岡うどんが東京でなかなか流行らないのは、採算がとりにくいことや地元文化の影響が大きかったんですね。
私は東日本生まれ東日本育ちのうどん大好き人間なので、福岡うどんの東京進出は全力で応援しています。