普段私たちが利用する駅で、なんと現金着服が起きていたことがわかりました。
JR東日本、豊田駅勤務の社員が客の忘れ物から現金着服繰り返し懲戒解雇(日テレNEWS)#Yahooニュースhttps://t.co/fv0T00ShL2
— すずはね (@ZZZ_sutZ) July 6, 2022
誰が一体どうやって現金を着服したのか?気になる事件の内容について詳しくまとめたので、一緒にみていきましょう。
あわせて、
- 私たちの忘れ物や落とし物は普段どう管理されているのか?
- 忘れ物を受け取る方法は?
- 駅が遺失物を保管や処分できるのはどうして?
こちらについても詳しく書いてみたので、よければ参考にしてくださいね。
豊田駅勤務の社員が現金着服で懲戒解雇!着服元はなんと客の忘れ物だった
2022年7月6日、JR東日本から「豊田駅勤務の社員が客の忘れ物から現金を繰り返し着服したため、6月27日付で懲戒解雇した」旨が発表されました。
着服が起きた豊田駅はどんなところなのか?着服した社員がどんな人物なのか?着服した理由は?
順番にみていきましょう。
豊田駅ってどんなところ?
JR豊田駅は、東京都日野市豊田4-41-41にあります。お隣は日野駅・八王子駅で、JR中央線・JR中央本線の2路線を利用可能。
東京方面の始発・終点駅であり、快速も止まるため、通勤での利用客が多いようですね。
駅ビルこそありませんが、駅前には歯医者や建設中の集合住宅があり、徒歩4分でイオンモール多摩平に行くことができます。
徒歩15分圏内に黒川清流公園や浅川があるなど、自然も大変豊かです。活気があり、年齢問わず住みやすい街だといって差支えないでしょう。
1日の平均乗車利用者数(2020年度)は、26,615人(降車人数は含みません)。
慌ただしい通勤時間帯、これだけの人数が利用すれば毎日多くの忘れ物や落とし物が発生することは想像に難くありませんね。
着服したのはどんな人物?
現金を着服したのは、JR豊田駅に勤務する46歳の男性社員。すでに懲戒解雇されているとのことなので、「元」社員ですね。
この元社員は2021年12月より遺失物の管理を担当しており、駅構内の拾得物や届けられた忘れ物や落とし物を管理していたようです。
駅利用客の遺失物に触れる機会の多い人だった、と推測できます。
元社員はどうやって現金を着服した?その金額は?
後述していますが、JR東日本で発生した遺失物は管理システムに登録後、一部を除いて一定期間保管されます。
今回の判明の発端となった車庫に入った回送列車内で見つかった定期入れも、同様に処理されるべきものでした。
しかし、元社員は管理システムに登録する前=他の社員と情報を共有する前に、その拾得物から現金を抜き取っていたそうです。その回数計6回、合計額は7万円。
1回あたりの最高額が5万円なので、残りの5回で計2万円となります。1度の着服額がそう大きくないと、抜かれたことに気づかなかった人もいそうです。
着服が判明した理由
今回着服が判明した理由は、一人の利用客の定期入れが発端です。
とある利用客が定期入れを紛失、後日駅へ問い合わせたところ、定期入れは無事戻ってきました。しかし、中身を確認すると、あるはずの現金がなくなっている!
利用客が駅へ「あるはずの現金がない」と伝えたことでJR東日本が調査を行い、元社員の着服へとつながったようです。
具体的な調査期間については未発表ですが、元社員が遺失物担当だったのは2021年12月から2022年6月までのおよそ7ヶ月間。
その間、抜き取った現金以外は忘れ物の管理システムへちゃんと登録していたため、判明が遅れたのかもしれませんね。
どうして着服したのか?
元社員は「食費やたばこなど生活費の補填のため」と言っているようです。
着服した現金はどうなった?
元社員が着服した現金ですが、元社員が認めた後、全額弁済されました。
これにより、JR東日本は警察に届け出ることをやめ、懲戒解雇処分のみとしたようです。
今回定期入れを紛失した利用客の現金は無事戻っていそうですが、残り5件の現金まで当時の利用客に返せたのか?それについては、どのニュースにも記載されていませんでした。
元社員が担当したおよそ7ヶ月の間に起きた出来事、着服された全ての人に現金が戻るといいですね。
個人的所感
今回の事件について、個人的には「JR東日本はかなり真剣に調査をしたんだな」と思いました。
JRにとっては信用問題になりますから、当然といえば当然の対応かもしれません。それでもきちんと調査し、原因を突き止め、公式に発表したことは評価に値すると思います。
なぜなら、仮に忘れ物から現金が抜き取られていたとして
のか、
かは、そんな簡単に証明できることではないからです。
JR東日本は、今回の件について「遺失物取扱いの再徹底と定期的な実態把握による再発防止に努める」としています。
二度同じことがないよう、JR東日本は全力を尽くすでしょう。そこは信じたいですね。
駅の遺失物はどう管理されているの?
ここからは、私たちの遺失物が普段駅でどう管理されているのか?ご紹介していきます。
管理日数や保管場所に違いはありますが、駅での遺失物管理の基本的な流れはほぼ同じです。
- 駅に忘れ物や落とし物が届く(拾得)
- 各鉄道事業者の忘れ物管理システムへ登録
- 一定期間、駅で保管(集約駅や総合取扱所などへの移送含む)
- 保管期間経過後は警察署へ送付
- 警察署で一定期間保管
- 満期保管後、鉄道事業者へ返還
- 処分
※持ち主の特定が難しい傘・衣類については、忘れ物センターや一部の駅で警察に代わり2週間保管後、鉄道事業者側で処分
※個人情報を含む一部忘れ物は、保管期間を待たずに警察署へ提出されることもある
駅で一定期間保管後、遺失物の種類によって警察署へ運ばれたり、駅で処分されたりするんですね。
保管期間や方法については、JRや私鉄各社によって細かな違いがあります。
駅での保管期間・方法:駅によって違うので要問合せ
問合せ先:最寄り駅・お問い合わせセンター(東日本)・各エリアの忘れ物センター(西日本)・お忘れ物チャットサービス(東・西日本)
駅での保管期間・方法:拾得日翌日に集約駅へ移動、その後日・月・火習得分は金曜日に、水~土習得分は火曜日に警察へ送付
問合せ先:最寄り駅・東急お客様センター
駅での保管期間・方法:経堂お忘れ物センター、小田原駅、藤沢駅で預かり後、お忘れ物総合取扱所へ集約(夜20時まで営業、年中無休)し、2週間(傘・衣料品類・履物類)または3ヶ月間(それ以外)保管。
問合せ先:最寄り駅・小田急お客様センター
忘れ物や落とし物をしてしまった時のために、事前に最寄り駅の鉄道事業者がどう管理しているのか確認しておくとよいでしょう。
忘れ物を受け取りたいときは?
忘れ物や落とし物が見つかったら、まずはその保管場所へ向かいます。その際の交通費は自費なので、あらかじめ用意しておきましょう。
保管場所(忘れ物センターなど)の営業時間を事前に確認しておくと安心です。
当然ですが、忘れ物や落とし物が自分の所有物である証明ができないと受け取れません。
本人確認ができる公的証明書(マイナンバーや健康保険証、運転免許証など)を必ず持参してください。
なお、本人以外が受け取りたい場合は、本人確認証明のほか
- 委任状(各社フォーマットあり)
- 受け取る人の本人確認書類
が必要になります。
また、保管駅が遠方の場合、着払発送で対応してくれる駅もあるようです。宅配取扱い不可なモノもあるので、最寄り駅やお問い合わせセンターに聞いてみるとよいでしょう。
忘れ物を着払いで発送してもらう場合も、最寄り駅や忘れ物センターの窓口で受付になります。電話やチャットでは手続きできないので、ご注意ください。
どうして駅は遺失物を処分できるの?
鉄道や路線バス等の事業者は特例施設占有者制度に該当するため、一部の拾得物の保管・売却・処分が可能です。
特例施設占有者とは
不特定かつ多数の者が利用する施設の施設占有者のうち、拾得者から交付を受け、又は自ら拾得をする物件が多数に上り、かつ、これを適切に保管することができる者として政令で定める者に該当するものです。
遺失物法第5条第1号から第4号に規定される鉄道・路線バス等の事業者は、法定特例施設占有者として規定されています。
法定特例施設占有者に該当する事業者
- 鉄道事業者
- 一般乗合旅客自動車運送事業者(路線バスや乗合タクシー等)
- 一般旅客定期航路事業者(13人以上の旅客定員を有する旅客船)
この特例施設占有者が多くの忘れ物・落とし物を円滑に保管・移送し、持ち主の元へ戻りやすくすることを目的とした制度なんですね。
特例施設占有者に該当すると、自社で拾得物を保管・売却・処分できるようになります。(もちろん警察署への届出は必須)
法で定める高額な物件(10万円以上の現金や10万円以上の価値がある貴金属や宝石など)は、特例施設占有者でも保管できません。
毎日出る大量の忘れ物を拾ってから1週間以内に提出書をそえて警察署へ…なんてしなくていいように、法で定めてあるんですね。納得です。
まとめ
普段利用している駅でこんなことが起きると、利用するのが不安になってしまいますよね。
駅が今後対策してくれることを信じつつ、まずは自分自身が忘れ物や落とし物をしないことが一番。
今回の件があってもなくても、落とし物や忘れ物をしない工夫を日々していきたいところです。